ジュニア冒険小説大賞とは&先輩からのメッセージ

ジュニア冒険小説大賞とは

海外ファンタジーばかりが持て囃される傾向にあった2001年、現代の子どもたちがワクワクするような日本オリジナルの冒険物語を子どもたちに届けようとして創設されたのがジュニア冒険小説大賞です。

賞を主催する創作集団プロミネンスは、SFを核としながら長く児童向けエンターテインメントの創作と普及に努めてきた作家・翻訳者・画家の団体。岩崎書店は、コナン・ドイル、H・G・ウェルズ、ジュール・ベルヌなどの冒険小説を早くから子どもたちに紹介してきた児童図書出版社です。

長編の児童読み物が刊行しにくい出版状況のなかにあって、書き下ろしの児童向け冒険小説を出版し、児童読み物をめざす新しい書き手の登場を応援しようとする、作家集団と出版社の挑戦でもありました。

「小学校高学年から読め、冒険心に満ち溢れた長編小説」という難しい条件から応募数こそ多くはありませんが、送られてくる作品の質は高く、大賞を得て刊行された作品はいずれも版を重ねて発行部数も1万部2万部を超えるか1万部に迫っています。

先輩からのメッセージ|廣嶋玲子(第4回大賞受賞)

「挑戦すれば、どんなに低くても勝率はある。逆に挑戦しなければ、勝つ確率はゼロだ」

これは私がいつも自分に言い聞かせている言葉です。この言葉を信じて、私は第4回ジュニア冒険小説大賞に作品を送りました。それから4カ月後の2005年10月、岩崎書店さんから「あなたの作品が大賞ですよ」とお電話をいただいたのです。その時のことは、正直よく覚えていません。「大賞」と聞いたとたん、頭がまっ白になってしまって、ただただ飛びあがるほど嬉しかったのをおぼえています。

私にとって、「ジュニア冒険小説大賞」はまさに運命の賞です。この賞のおかげで、私はたくさんのどきどきや喜びを味わうことができました。この賞をいただけたから今の自分があるんだと感謝しながら、現在、「もっといい作品を書きたい!」と、励む毎日です。

どうか、これから応募される皆さんにも、たくさんのどきどきと喜びが訪れますように。

<プロフィール>
横浜生まれ。第4回ジュニア冒険小説大賞受賞。これまでの作品に『水妖の森』、『盗角妖伝』(岩崎書店)、「はんぴらりシリーズ」(童心社)、『鬼ヶ辻にあやかしあり』(ポプラ社)がある。

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