会社情報(沿革)
岩崎書店の前身である「慶応書房」は、1934年に創立されました。
戦前は社会科学書を中心とする専門書を扱っていましたが、戦後は、児童書を主軸に出版活動をしてまいりました。
戦前から戦後期の刊行物には、ソ連(現:ロシア連邦)のオパーリン著『生命の起源』、福沢諭吉著『学問のすゝめ』などがあります。
これらは、岩崎書店の「科学・理科もの」、「人間の平等と民主主義の大切さを伝える書」の原点として、現在まで続く礎となっています。
児童書、とりわけ学校図書館向けの図書に力を入れ始めたのは1950年代以降のこと。日本の復興には子どもの教育が重要であるとの信念から、そして、多くの子どもに平等に本を読んでもらいたいとの思いからです。
科学の面白さを手ほどきした「少年の観察と実験文庫(全100巻)」、宮沢賢治を小学生から読めるオリジナルテキストで編集した「宮沢賢治童話全集」、平和への願いを描いた岩崎ちひろの絵本『戦火のなかの子どもたち』など、時代の要請に応える作品を数多く送り出してきました。
読み物では、『はれときどきぶた』をはじめ、男の子には「ほねほねザウルス」「デルトラ・クエスト」シリーズ、女の子には「ルルとララ」「なんでも魔女商会」シリーズなどが人気を集めています。
ノンフィクションの「捨て犬・未来」「名犬チロリ」「警察犬アンズ」シリーズは、命の尊さ、頑張ることの大切さを伝える本として、多くの推薦図書に選ばれています。
児童向けSFも、岩崎書店を代表するジャンルです。「ベルヌ冒険名作選集」、「SF少年文庫」などSFブームを牽引したシリーズを刊行するだけでなく、1983年には「福島正実記念SF童話大賞」を、2001年には「ジュニア冒険大賞」を立ち上げ。福島賞からは『天才えりちゃん金魚をたべた』といった大ヒット作も生まれ、これまで数多くの児童文学作家を輩出してきました。
世界的話題書の翻訳も、意欲的に取り組んでいます。かの天才宇宙物理学者親娘による「ホーキング博士のスペース・アドベンチャー」シリーズや、ノーベル平和賞のマララさんの手記『マララ』は、科学や政治の本を読んだことのない子どもたちの関心を広げる書として、幅広い年齢層の読者に読まれています。
これまでの児童書にない新ジャンルを切り開いたものもあります。宮部みゆき・京極夏彦ら当代きってのベストセラー作家を執筆陣に迎えた「怪談えほん」シリーズは、実力派画家の妖しく美しい絵と相まって大きな話題となり、普段絵本を読まない大人をも取り込んで、「怖い絵本」ブームを巻き起こしました。
そして今、直木賞作家の桜庭一樹、辻村深月らが恋をテーマに初の絵本に挑戦した「恋の絵本」シリーズもスタートし、早くも注目を集めています。
学習障害・発達障害の子をサポートする『怠けてなんかない!』『ありがとう、フォルカーせんせい』『すずちゃんののうみそ』、LGBT理解を促す『にじいろのしあわせ』なども刊行。
差別・偏見をなくし、個性の尊重を伝える本を出版し続けているのも岩崎書店の特長です。
新しい形態の商品も。聴診器と冊子がセットになった『ドキドキちょうしんきセット』、永遠の名作『星の王子さま』の豪華ポップアップ絵本、最新のAR(拡張現実)搭載の「ビックリ3D図鑑」シリーズ、布絵本とマスコットをセットにした『ペネロペのおうち』などは、本の新たな可能性を打ち出した商品として多方面から好評を得ています。
また、2020年からの小学校での英語必修化に向け、英語学習に活用できる教材も拡充。「ヨシタケシンスケ英語の絵本」セットや、岩崎書店のロングセラー絵本の英語版を出版したり、海外の名作絵本の輸入販売も、新たに始めています。
現在、絵本・童話・読みもの・児童文学・図書館向け学習もの・画集など、幅広い出版活動を繰り広げていますが、今後は、読者のニーズの変化を見据え、これまでの児童図書だけでなく、幅を広げた出版物の刊行、既存本の版権輸出、電子書籍への参入、人気キャラクターを活用したグッズの製作・販売も積極的に行う予定です。
子どもから大人まで、たくさんの人々に、夢と希望、ぬくもりをお届けできるよう、社員一同一層努力してまいります。
年 | 書名 | |
---|---|---|
1934年 | 岩崎書店の前身となる慶応書房創立 | |
1941年 | オパーリン『生命の起源』 | |
1950年 | 福沢諭吉『学問のすゝめ』 | |
1951年 | 少年の観察と実験文庫(全100巻) | |
1964年 | 宮沢賢治童話全集(全7巻) | |
1969年 | 花さき山 | |
1971年 | モチモチの木 | |
1972年 | はじめてのおるすばん | |
ひさの星 | ||
1973年 | 戦火のなかの子どもたち | |
1976年 | ふしぎなかぎばあさん | |
1980年 | あしにょきにょき | |
はれときどきぶた | ||
1983年 | グリーンマントのピーマンマン | |
ぞうれっしゃがやってきた | ||
1986年 | ことわざ絵本 | |
絵本図鑑シリーズ1『恐竜たんけん図鑑』 | ||
1996年 | りんごがひとつ | |
1997年 | ラヴ・ユー・フォーエバー | |
1999年 | ドキドキちょうしんき | |
2002年 | デルトラ・クエストシリーズ スタート | |
2003年 | しゅくだい | |
怠けてなんかない! | ||
しずくちゃんシリーズ スタート | ||
なんでも魔女商会シリーズ スタート | ||
2004年 | ペネロペしかけえほん1『ペネロペまきばへいく』 | |
妖界ナビ・ルナシリーズ スタート | ||
2005年 | ルルとララシリーズ スタート | |
ちしきのぽけっと1『土をつくる生きものたち』 | ||
2007年 | としょかんライオン | |
2008年 | ほねほねザウルスシリーズ スタート | |
ホーキング博士のスペース・アドベンチャー シリーズ スタート |
||
2009年 | 星の王子さま ポップアップ絵本 | |
2010年 | おすわりくまちゃん | |
2011年 | 怪談えほんシリーズ スタート | |
ジョン・グリシャム「少年弁護士セオの事件簿」 シリーズ スタート |
||
2012年 | ひまわりのおか | |
だいすき ぎゅっ ぎゅっ | ||
2013年 | んふんふ なめこ絵本 すてきなであい | |
2014年 | 希望の牧場 | |
マララ | ||
2016年 | いっさいはん | |
2017年 | たからもののあなた | |
2018年 | すずちゃんののうみそ | |
にじいろのしあわせ | ||
2019年 | 恋の絵本シリーズ スタート | |