福島正実記念SF童話賞は、1983年、児童向けのSFエンターテインメント作品を書ける新人作家の発掘を目的として、少年文芸作家クラブ(創作集団プロミネンスの前身)と岩崎書店が、SF童話の懸賞募集として設立したものです。
日本のSF界育成に多大な貢献をし、児童向けSFの翻訳家・作家としても活躍しながら1976年に47歳で早世した元早川書房SFマガジン編集長福島正実氏の名を冠したのは、少年文芸作家クラブを結成し子ども向けSFエンターテインメントの隆盛を願った福島氏の思いを継承してのものでした。
当初は大賞に相応しい作品の得られない年度もありましたが、大賞作が単行本として出版され課題図書やベストセラーが生まれるにつれて応募数も増え、次第に児童文学作家をめざす新人の登竜門のひとつとなっていきました。
その後、小説・映画・コミック・ゲームの世界での広がりとともにSFのジャンルとしての境界が曖昧になってきたため、第16回以降の募集ジャンルは、SFに限ることなくSF的な諸ジャンルにまで広げられています。
私が福島正実記念SF童話賞(福島賞)をいただいたのは、2002年、第19回のときです。実はその前年の18回には佳作になっています。そのとき佳作の副賞は、賞から出版された既刊の本が20冊でした。実際これがとても参考になり、翌年の大賞に結びついたのだと思っています。大賞受賞の連絡を受けたときの嬉しさは忘れられません。正に狂喜乱舞、部屋中跳び回りましたもん。
福島賞の大賞作品は、必ず出版され書店に並びます。並み居る有名作家さんの作品に交じってです。それだけの出版に値する作品であることが求められるわけです。中学年以上の子どもたちが喜んで手にする娯楽性の強いSF童話作品。これはなかなかにハードルの高いものだと思います。自分の作品がそれに相応しいかなんて、全く自信がありません。
けれども福島賞をきっかけに児童文学作家としてヨチヨチ歩き始めたことだけは確かです。作品次第、本人の情熱次第で、道は開かれます。あきらめないこと、明るく前向きであること、それが大事です。今は改めて福島賞出身である喜びをかみしめている私です。
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